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マンションのフローリングに、ほんの少しの「和」を。日常に溶け込む和モダンのつくり方

2026.05.16

突然ですが、みなさんは家にいるとき、どんな瞬間に「ほっ」としますか?​ソファに深く腰掛けたとき、お気に入りのコーヒーを淹れたとき。心地よさの形は人それぞれですが、どこか慌ただしい現代の暮らしの中で、私たちが無意識に求めているのは「心静かに寛げる、余白の時間」ではないでしょうか。​そんな空間づくりを叶えてくれるのが、「和モダン」というスタイルです。​「和風のインテリア」と聞くと、本格的な和室や、立派な床の間がある古い家をイメージする方も多いかもしれません。「マンションのフローリングには合わないのでは?」と思われることもあります。​でも、私が提案したいのは、伝統的な和の要素をガチガチに再現することではありません。現代のモダンなライフスタイルをベースにしながら、日本人が古くから大切にしてきた素材や美意識を、エッセンスとして日常に溶け込ませる。そんな「日常の暮らし×伝統」の和モダンです。​今回は、今の住まいの良さを活かしながら、誰でも手軽に和モダンの心地よさを取り入れるための「3つのアプローチ」をご紹介します。 

1. 「床に近い」暮らしを、少しだけ取り入れてみる

​和の空間の心地よさは、その「低さ」にあります。畳の上で座る、寝転ぶという行為は、天井を高く見せ、空間に圧倒的な開放感を生み出します。​これを現代のフローリングの部屋で再現するなら、「ロー(Low)スタイル」の意識がおすすめです。​

・脚の短い低めのソファやローテーブルを選ぶ

​・ リビングの一角に、デザイン性の高い「置き畳」やユニット畳を敷いてみる

​すべてを座卓にする必要はありません。視線を少し下げるだけで、部屋全体の圧迫感が消え、不思議と心が落ち着く空間に変わります。

2. 直線的なラインで「静けさ」をつくる

​和の建築や伝統工芸を思い浮かべると、障子の格子や、すっきりと伸びた柱など、美しい「直線」が多用されていることに気づきます。この直線的なデザインには、空間を整え、ノイズを減らす効果があります。​インテリアに迷ったら、少し「直線」を意識してみてください。​家具のフレームに、すっきりとした木製の直線ラインがあるものを選ぶ​カーテンの代わりに、直線が引き立つブラインドやプリーツスクリーンを取り入れる​これだけで、洋室特有のカジュアルさが抑えられ、凛とした「静けさ」のあるモダンな雰囲気が生まれます。 

​3. すべてを「和」にしない。異素材との引き算

​「日常の暮らし×伝統」を成功させる最大のコツは、「がんばって和風にしすぎないこと」です。​部屋のベースは、今あるフローリングや現代的な白い壁で十分。そこに、職人の手仕事が光るアイテムを「ぽつん、ぽつん」と引き算のように配置していくのが、今っぽく仕上げるポイントです。​たとえば……​コンクリート打ちっぱなしの壁に、和紙の照明(イサム・ノグチの『AKARI』など)を合わせてみる。 アイアン(鉄)フレームのシェルフに、お気に入りの和食器や伝統工芸の小物を飾ってみる

​現代的な無機質な素材(スチール、ガラス、コンクリート)と、伝統的な温かみのある素材(木、い草、和紙、土)が掛け合わさることで、お互いの魅力が引き立ち、洗練された「和モダン」が完成します。

4.​伝統は、特別なものではなく「日常の癒やし」

​日本の伝統的な素材や技術は、何百年もの間、私たちの先祖が「どうすれば家の中で心地よく過ごせるか」を追求し、アップデートし続けてきた結晶です。だからこそ、形を変えて現代の住まいに取り入れたとき、私たちは理屈抜きで「あぁ、落ち着くな」と感じるのだと思います。​伝統を敷居の高いものとして遠ざけるのではなく、今の私たちの暮らしをちょっと豊かにしてくれる「最高の相棒」として迎えてみる。​このnoteでは、そんな風に日常の暮らしに溶け込む和モダンのアイデアや、空間の主役になる素敵な素材、職人たちのストーリーを少しずつお届けしていきます。​みなさんの部屋づくりが、もっと楽しく、もっと心地よいものになりますように。